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トップアスリートと考えるSDGs -スポーツ界からできること-

持続可能な開発目標である「SDGs」が現代社会における不可欠なテーマとなるなか、プロのアスリートたちはこの問題にいかに向き合っているのでしょうか。とりわけ様々な道具を使うスポーツでは、17の目標のひとつである「つくる責任 つかう責任」が身近なテーマとして関わっています。このインタビューシリーズでは第一線で活躍するトップアスリートたちに、自身の「SDGs」に対する価値観を語っていただきます。


第10回 竹内 智香選手 後編

(スノーボードアルペン / 広島ガス所属)

地域貢献活動を通じて、
オリンピック、スポーツの
価値を高めていきたい


アスリートとしての経験を還元し町を豊かにするプロジェクト

SDGsのテーマのなかには「地方創生」に関するものもあります。竹内さんは競技の拠点とされている北海道東川町で、そうした活動も行っているそうですね。

「私が一番力を入れているのは、『&tomoka(アンドトモカ)』というプロジェクトです。ここ数年で感じるのは、スポーツやオリンピックの価値って、一般的にはそれほど高くないんだなということ。特に今はコロナ禍でもありますし、生きていくうえで必ずしも、必要なものではないんだなと感じています。そのなかで、私は人生のほとんどをスノーボードというスポーツに捧げて生きてきました。他のスポーツの選手たちもそうだと思うんですけど、私たちアスリートにとっては、ここで結果を残さなければ人生に影響していくるんです。でも自分がすべてをかけているのに、世の中には必要とされていない。その状況にすごくアンバランスな部分を感じたんですね。だったら、世の中に必要とされるオリンピアンになれば価値が変わるんじゃないかと考えて、このアンドトモカというプロジェクトを立ち上げたんです」

具体的にどういったプロジェクトなんでしょうか?

「当初は、日本ではスノーボードをやる環境がなかなかないので、それを充実させていこうという気持ちでした。でも、それだけでは多分価値は変わらない。必要とされるには、まずはこの東川町という町に影響を与えられるかどうかなんですよね。例えばスポーツのできる環境を良くすることで、町のみんなが健康を意識するようになる。私が世界を目指したからこそ見えたもの、学んだものを東川町に還元することで、この町全体が豊かになっていくと考えています。最初は日本全体に何かを還元したいと思ったのですが、ひとりのアスリートとしてできることは限られています。だからまずは地元から変化をもたらし、それがひとつのモデルケースになり、東川から日本の未来をよくしていきたいと思ったのです」

トレーニングジムを東川町に作られたんですよね?

「そうです。そこは町内が問わず、誰でも使うことができます。年配の方から子どもまで、たくさんの人が来てくれているんですけど、その人たちの中には、竹内さんがこの町にいてくれて良かったと思ってくれる人が何人かいると思うんですね。実際に『スポーツをする環境を良くしてくれてありがとう』と言われた時はすごくうれしかったですし、オリンピックでメダルを獲った時の『おめでとう』とはまた違う喜びがありました。自分がやって来たことがひとつの形となって、財産としてこの町に残っているんだと思うと感慨深いですね。これからのアスリートの形というのは、人に必要とされることだと思いますし、たぶん、この町でオリンピックに反対する人は、他の町よりも少ないんじゃないかと勝手に思っています。統計を取ったことはないですけど(笑)」


「勝つことだけが目的ではない。ここで学んだことが人生の役に立つことを感じてほしい」

この町に必要な人材として受け入れられているわけですね。

「そうだと嬉しいですね(笑)。私もよく、ジムでおじいちゃんやおばあちゃんと一緒にトレーニングをするんですけど、そうやってお互いを知る、お互いを支え合うことで、地域がより良くなっていくと思います。ジムを作っただけではなく、このプロジェクトの一環として私のトレーニングも見てくれているR-bodyからトレーナーが2人、東川町に移住してきているんですね。それで、定期的に子どもたちに身体の解剖学とか機能について教える時間を設けています。私が目標としているのは、この町を作ってくれたのは、今のおじいちゃん、おばあちゃんたちですが、この町の未来を支えるのは子どもたちなんです。彼らが、そうやって健康について学んだことを、お年寄りに返していく。そういった支え合うような町ができたら良いなと思っています」

そもそも、このプロジェクトの発端は地域貢献にあったわけではないですよね。

「未来のメダリストを育てたい、世界に負けない練習環境を作りたいというのが、一番の軸としてあるのは間違いないです。私が何で存在するかと言えば、スノーボードアルペンがあるから。その軸というのは、これからもずっとブレはいけないところだと思うんですね。でも、みんながみんな、オリンピアンやメダリストになれるわけではないんです。生きていくなかでは、失敗だったり、壁にぶつかることの方が多いと思うんですが、スポーツをしているとそれは別に恥ずかしいことでもなく、当たり前なんだよということを学べるんですよ。今関わっている子どもたちは、スノーボードやスキー、野球など、それぞれがスポーツをやっているんですけど、やっぱり勝負の世界で勝つことだけが目的ではありません。たとえそこで成功を手にできなかったとしても、アンドトモカで学んだことが違う形で人生の役に立つということを感じてもらえたら、プロジェクトとしてはすごくいい形なのかなと思っています」


「自分自身のためだけに頑張っても、人は寄ってこないし、応援もされない」

その活動が地域貢献にもつながっているわけですね。

「私自身はその活動に関わっているわけではないですが、広島県内の山で植林などの森林保全活動をしているという話は聞いています。いつかはここ東川町で、そういった活動をしてみたいという想いはあります」

竹内さんは海外で生活される時間も長いと思いますが、海外と比較して、日本人のエコに対する意識をどう感じていますか。

「地域貢献活動という言葉はすごく聞こえはいいですけど、簡単にできるものではないと思っています。ボランティアでできることは限られますが、見返りを求めずにやることがすごく大事で、そこに何かの利害関係だったり、欲があったら、その地域貢献活動は本物にはならないと思うんです。私がなぜこの町にトレーニングジムを作りたかったのか。なぜこの町にトレーナーを呼んだのかと言えば、根本的には私が欲しかったものなんですね。自分のトレーニング環境を良くすることがベースにあるんです。人間って、最初に頑張れるのは自分のためだと思います。でも自分自身のためだけに頑張っても、人は寄ってこないし、応援もされない。自分も気持ちよく、みんなも気持ちよくなることをやっていくことが、地域貢献活動を持続させるために重要なことだと思います」

このプロジェクトをベースに、今後何かやっていきたいことはありますか。

「今までは本当に人生の大半をアスリートとして生きてきましたし、朝から晩までトレーニングをして、それだけにフォーカスをしてきたんですけど、特にここ3、4年で感じるのは、オリンピックがすべてではない、結果がすべてではないということ。でもそのなかでもアスリートとして1日でも長く世界のトップにいたいとも思っています。その気持ちを大切にしながら、今やっている地域貢献活動を通じて、オリンピックの価値であったり、スポーツの価値を高めていきたいですね。やっぱり、健康になることは、豊かになれることでもあると思うので、今はそこを目標にはしています。ただ私の場合は結構考え方が速いスピードで変わっていくので、来年になるとまた全然違うことを言っているかもしれないですけど(笑)」

4年後のオリンピックも目指しますか?

「それは分からないですね。1日1日を積み重ねた先にもう1回オリンピックがあれば最高だとは思います。でもこれだけ長い間アスリートを続けていると、覚悟を持って4年というスパンを過ごすことは簡単ではなくなってきているので、今はとにかく1日1日を大切に積み重ねていこうと思っています」

竹内智香 プロフィール

1983年12月21日生まれ。北海道旭川市出身。165cm ・62kg。1998年の長野オリンピックで衝撃を受け、スノーボード競技での五輪出場を決意。2002年に高校生ながらソルトレイクシティ
オリンピックに出場すると、パラレル大回転で22位の成績を残す。その後トリノ、バンクーバー、ソチと4大会連続でオリンピックに出場。ソチではスノーボード競技で日本人女性初のメダル獲得という快挙を成し遂げた。2018年の平昌、2022年の北京大会にも出場し、オリンピック以外でも2012年のワールドカップで1位を獲得するなど、日本スノーボード界に名を残す成績を収めている。

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