私たちについて
事業内容
許認可
サスティナビリティ
基準料金
ニュース

採用情報

持込みに関するご相談

049-248-0018(川越処理工場)

配車依頼に関するご相談

049-220-0001(配車センター)

マニフェストに関するご相談

049-220-1005(営業経理部)

その他の処理に関するご相談

049-245-5561(営業部)

上記以外のお問い合わせ(代表電話)

049-220-1000

山一商事をフォローする

ENGLISH

持込みに関するご相談

049-248-0018(川越処理工場)

配車依頼に関するご相談

049-220-0001(配車センター)

マニフェストに関するご相談

049-220-1005(営業経理部)

その他の処理に関するご相談

049-245-5561(営業部)

上記以外のお問い合わせ(代表電話)

049-220-1000

閉じる

トップアスリートと考えるSDGs -スポーツ界からできること-

持続可能な開発目標である「SDGs」が現代社会における不可欠なテーマとなるなか、プロのアスリートたちはこの問題にいかに向き合っているのでしょうか。とりわけ様々な道具を使うスポーツでは、17の目標のひとつである「つくる責任 つかう責任」が身近なテーマとして関わっています。このインタビューシリーズでは第一線で活躍するトップアスリートたちに、自身の「SDGs」に対する価値観を語っていただきます。


第16回 桃野慎也選手 後編

(プロスノーボード選手)

競技にも好影響を与える
“パラレルノーカー”としての生き方


日本の自給率を上げていくことが、僕ら農家の使命だと思っています

SDGsに関しては、どういう知識を持っていますか?

「最初は何だ? という感じでしたよ。テーマがいっぱいありますからね。格差社会だとか、地球温暖化とか、CO2を何%削減しないといけないかとか。でも勉強するなかで、いろんなことを知れたのは良かったです。例えば家畜から出るメタンガスって、飛行機とか車とかから出る排気ガスよりも多いらしいんですよ。だからスイスでは酪農を制限しているんです。国がこれ以上増やしちゃダメって、牛や豚の数を決めているんですよ。もちろん酪農家からの反発もありますけど、それくらい徹底しなければいけないくらいの負担があるんです。でも人間は生きるためにはたんぱく質が必要です。だから、これからは大豆が地球を救うと思っています(笑)」

大豆のほかにも小麦も作られていると聞きました。

「インドが輸出を禁止したり、ウクライナの問題もありますからね。SDGsでも地産地消と言っていますし、JAも国生国産というテーマを掲げています。だから小麦だけではなく、もっともっと国の自給率を上げていかないといけない。今、日本の自給率はカロリーベースで30%くらいなんですよ。これを上げていくことが僕ら農家の使命でもあると思っています」

なぜ小麦を作るようになったのですか。

「同じ畑で、毎年同じものは作れないんですよ。連作障害と言うんですけど、同じところで同じものを作ってしまうと、数年後には育たなくなってしまうんです。だから大豆を1回作ったら、次の年には小麦を作る。あとはブロッコリーもやっています。本当は4、5品目くらいを回すのがいいと言われているので、最低でもあとひとつは増やしたいと考えています」

現状、なにを作ろうと考えていますか。

「オーツ麦です。オートミールの原料ですね。小麦と似ているんですけど、ちょっと違う。今作っている人がいないので、ぜひやってみたいですね」


スリートとしては世界のトップを。農業では国産の良さを広めていきたい

農家としての生活がある程度軌道に乗って来たかと思いますが、現役のスノーボーダーでもあります。いわば“二刀流”として活動を続ける理由はなんでしょうか。

「農業は冬にできないんですよ。だから、1年の半分を農業、もう半分をスノーボーダーとして活動することができるんです。もちろん、経済的な部分はあります。スノーボード1本でやっていた時は、絶対に結果を出さないといけないというプレッシャーもあって、それが成績に影響を与えることもありました。でも今は結果が出なくてもいいとは思わないですけど、農業があることで心のゆとりだったり、メンタル的な安定はありますね。パラレルワーカーが増えていますけど、僕は自分のことを“パラレルノーカー”って言っています(笑)。農業とスノーボード、それぞれがそれぞれの職業に、いい影響をもたらしていると思っています」

今後の展望を聞かせてください。

「僕はまだ29歳なので、アスリートとしてはまだまだ世界のトップを目指してやっていきたいという想いがあります。農業では、国産の良さをもっともっと広めていきたいですね。僕はスノーボードの遠征で、世界のいろんなところに行って、いろんなものを食べましたけど、やっぱり日本の食べ物は安心・安全なんですよ。特に北海道産は、安心だし、おいしいし、身体を作るうえでもいい物だと実感しています」

国産の良さを広めるために、取り組んでいることはありますか。

「ソイプロテインを買ってくれた人に、手紙を渡しています。なかなか農家と触れ合う機会ってないじゃないですか。でも手紙を渡せば、どういう人が、どういう想いで作っているかを伝えることができる。その想いが伝われば、国産の食べ物に対する意識が変わってくるのかなと思っています」

オートミールの販売も上手く事業化されるといいですね。

「作っている人がいないので、今は手探りでやっています。5種類くらい種を蒔いたんですが、ひとつだけ育ったんですよ。今は乾燥をさせている段階で、いい感じになってきています。最近、日本でも食べる人が増えてきていますが、90%は外国産ですからね。オートミールでも、地産地消、国産国消を実現したいですね。2024年には販売できればと思っています」

最近では桃野選手が、メディアに取り上げられる機会も増えてきたと聞きました。

農家って若い人がほとんどいなくて、高齢者ばかりなんですけど、僕がテレビに出ると言うと、みんな喜んでくれるんですよ。それで士気が上がったり、活力にもなったりする。そうやってみんなを元気にするっていう意味でも、この仕事にやりがいを感じています」

桃野慎也 プロフィール

1992年10月21日生まれ。北海道出身。小学1年生でスノーボードを始め、2年生の時にスノーボードスラロームの大会に初出場し、初優勝。4年生の時にはスノーボードクロスの大会に初出場し、初優勝を成し遂げた。中学2年生の時には全国大会アルペンで2冠を達成。高校2年生でスノーボードクロスの日本代表入りを果たし、以降は競技をスノーボードクロス1本に絞る。高校3年生の時にはジュニア世界選手権(ニュージーランド)に出場し、その成績が評価され18歳にして世界選手権スペインに出場。大学1年生からワールドカップツアーに参戦。ソチ五輪前の予選では5位と日本人男子史上最高記録を出したものの、決勝で勝つことができず、オリンピック出場を逃した。2016年3月World Cupスペインで日本人男子史上初の8位入賞を果たした。2020年に就農し、スノーボードとの“二刀流生活”をスタート。2022年4月に『YOUR FARM合同会社』を設立した。

インタビュー記事一覧


関連ページ

プロスノーボード選手

桃野慎也選手 前編

環境問題を考えた農業とスノーボードの“二刀流”生活

TOP