蛍光灯の産廃処理と処分費を解説
家庭や事業所などで照明としてよく使用される蛍光灯。蛍光灯は定期的な交換が必要ですが、不要になった蛍光灯はどのように処分すればよいのでしょうか。
蛍光灯は有害物質である水銀が含まれており、その処分方法には注意が必要です。法律に従って適切に処理されるよう努めましょう。
この記事では廃棄物となった蛍光灯の処分方法と蛍光灯の処理の流れ、処分費などについて解説します。蛍光灯処分でお困りの方はぜひ参考にしてください。
蛍光灯は産業廃棄物?
廃棄物は一般廃棄物と産業廃棄物に分類され、分類によって処分のルールや過程が異なります。蛍光灯は一般家庭で排出された場合一般廃棄物に分類され、事業所から排出された場合は産業廃棄物に分類されます。排出者によって分類が異なる点に注意しましょう。
また、蛍光灯には有害物質である水銀や蛍光塗料が含まれているため、その取扱いには注意が必要です。蛍光灯が割れると、中の水銀が外へ漏れ出てしまいます。処理の際は蛍光灯を割らないよう十分注意し、もし割ってしまった場合は、新聞紙などで包んで覆うようにしましょう。
以下の点をふまえて、家庭や事業所で適切に処分するようにしましょう。
平成29年 (2017年) の法改正について
平成29年 (2017年) の産業廃棄物処理法の改正によって、「水銀使用製品産業廃棄物」は「水銀使用製品廃棄物の運搬・収集または処理の許可を得た業者」しか処分できなくなりました。
先述のとおり、蛍光灯には有害物質である水銀が含まれており、事業所から排出された蛍光灯は、特別な許可を得た業者しか収集運搬・処分ができません。産業廃棄物として蛍光灯を処分する際は、委託先の業者が許可を持っているか必ず確認するようにしましょう。
法改正の対象となる蛍光灯
製品 | 備考 |
---|---|
直管形、環形、角形、コンパクト形 | 品番が「F」で始まるものを含むすべてのもの |
電球形蛍光ランプ | 品番が「EF」で始まるものを含むすべてのもの |
無電極、冷陰極、外部電極 | 日本照明工業会「事業者向け水銀使用ランプの分類・改修及び排出について」を参照 |
参考:環境省「水銀廃棄物の適正処理について、新たな対応が必要になります。」
法改正の内容
項目 | 概要 |
---|---|
許可証 | 取り扱う産業廃棄物の種類に「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれている必要がある |
委託契約書 | 委託する産業廃棄物の種類に「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれている必要がある |
マニフェスト | 産業廃棄物の種類欄に「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれており、その数量を記載する必要がある |
産業廃棄物の保管 | 産業廃棄物保管場所の掲示板の種類欄に「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれている必要がある |
帳簿 | 「水銀使用製品産業廃棄物」に係るものであることを明記する必要がある |
参考:環境省「水銀廃棄物の適正処理について、新たな対応が必要になります。」
家庭(一般廃棄物)の場合
家庭から排出された蛍光灯は、一般廃棄物に分類されます。処分する際は、各自治体の処分ルールに従い、不燃ごみや粗大ごみとして排出したり回収ステーションへ持ち込むようにしましょう。
家電量販店の中には、使用済み蛍光灯の処分を引き受けている店舗もあります。近くに収集に対応している店舗がないか調べてみるのもよいでしょう。回収してほしい蛍光灯の量が多い場合は、リサイクル業者に委託するのもおすすめです。
法人(産業廃棄物)の場合
法人が排出した蛍光灯は産業廃棄物に分類されます。水銀使用製品産業廃棄物の収集・運搬および処理の許可を得た業者に処分を委託しましょう。
なお、業者への委託の際には、産業廃棄物処理法に基づいた契約書を締結し、マニフェストを交付して、産業廃棄物が適正に処分されるよう管理しなければなりません。産業廃棄物が適正に処理されなかった場合、収集・運搬および処理業者だけでなく、排出事業者にも責任が問われるため注意しましょう。
また、蛍光灯の排出時には委託契約書やマニフェストにも水銀使用製品産業廃棄物に関する記載が必要です。委託契約書内にその旨の記載がない場合は、速やかに契約を変更し、変更後に収集・運搬および処理業務を委託するようにしましょう。
不明点があれば、弊社営業部までご相談ください。
蛍光灯の産廃処理の流れ
蛍光灯にはガラスだけでなくプラスチックや水銀などが含まれています。蛍光灯がどのように処理されるのか、処理工程を見ていきましょう。
産業廃棄物として排出された蛍光灯は、まず、口金を粉砕せず、ガラスのみを破砕して水銀を除去します。業者によっては水銀の飛散を防ぐために、ガラスを粉砕せずに水銀を除去する場合もあります。
粉砕後の蛍光灯は、ガラスと口金に分離・分別され、それぞれ乾燥や洗浄、蒸留などの処理が行なわれます。
産廃処理の過程で出たガラス、アルミ、プラスチック、鉄、蛍光粉、水銀は再資源化されます。水銀は再度蛍光灯などの水銀製品へ、蛍光粉は覆土材へ、アルミやプラスチックは金属製品へ、ガラスはガラスウールや断熱材などに利用され、リサイクル製品として再び生活の中で役立てられるのです。
蛍光灯の処分費
蛍光灯の処分費は種類によっても変動します。直管形、環状型(リング型)、コンパクト型であれば、1kgあたり200〜400円程度での処分費が相場となるでしょう。
弊社中間処理工場では蛍光灯は受け入れておりませんが、弊社営業部に問い合わせいただければ提携先の契約から運搬までご提案できます。
一方、水銀を使用していないLED蛍光灯については弊社でも受け入れており、処分費は1本あたり150円となります。
蛍光灯の処分についてよくある質問
Q. 蛍光灯の処分はできますか?
弊社中間処理工場での受入はおこなっていませんが、提携処理先のご案内や契約から運搬までの手配は可能ですので、営業部にお問い合わせください。
Q. 割れた蛍光灯もしくは割った蛍光灯は産廃として処分できますか?
割れた蛍光灯でも専門業者での処分になる為、弊社中間処理場での受入はしておりません。また故意に割ってしまうと処分費が高くなる場合もありますのでご注意ください。提携先をご案内いたしますので、営業部までお問い合わせください。
Q. LED蛍光灯の処分はできますか?
弊社中間処理場で受け入れしており処分可能です。