畳は産業廃棄物?処分方法や処分費を解説
この記事では畳の処分方法や処分に必要な知識を解説していきます。畳が一般家庭から排出される場合は、家庭ごみとして粗大ごみ等で処分されますが、解体工事などで発生する場合は産業廃棄物となります。産業廃棄物は法律に則って適切に処分する必要がありますので、本記事を参考にして正しく排出処理をするようにしましょう。
畳は産業廃棄物になる?
不要になった畳は「産業廃棄物」もしくは「一般廃棄物」、どちらに該当するのでしょうか?
事業所や企業から事業活動に伴って排出される場合は「産業廃棄物」として扱うことになっています。もし、個人の家庭からゴミとして排出されるのであれば「一般廃棄物」ということになります。そのため、一般家庭で出てくる畳は粗大ごみとして処分されるのが一般的です。
では、事業活動にはどんなものが該当するのでしょうか?最も一般的なものは、建物の解体工事やリフォームです。自宅の解体作業やリフォームするは解体業者の事業活動となるため、建物の解体工事を請け負った業者が産業廃棄物として畳を処分する必要があります。
また、畳の製造に伴って排出される廃棄物も産業廃棄物に該当する場合があります。畳表に使われる材料は和紙や樹脂がありますが、中には特殊な芯材で作られたスタイロ畳というものもあります。このスタイロ畳は「産業廃棄物」に、それ以外の畳は事業系一般廃棄物に該当します。
畳の産業廃棄物上の分類
畳が産業廃棄物のどの品目に該当するかは、使用されている素材によって変わります。
畳に使用される材料は、天然素材のい草や、合成繊維が一般的です。畳の材料が天然のい草の場合は「繊維くず」に、合成繊維の場合はプラスチックのため「廃プラスチック類」になります。また、スタイロ畳の場合もプラスチック原料のため、分類としては「廃プラスチック類」に該当します。この分類を間違えると処分方法にも影響するので、事前に荷姿を確認しておきましょう。
また、産廃処理を委託する場合、マニフェスト伝票(産業廃棄物管理票)を発行します。上記の分類に従って、伝票を記載するようにしましょう。
畳の処分方法
畳を産廃処理する際には、収集運搬・中間処理を委託します。両方の許可を得ている業者であれば、一括で委託することができます。また、委託する時の注意点として、きちんと許可を取得した業者に依頼するようにしましょう。
廃棄物を運ぶことができる業者は「産業廃棄物収集運搬業」を、廃棄物の中間処理や最終処分を行う業者は「産業廃棄物処分業」という許可を都道府県から得ている必要があります。きちんと許可を得た業者に依頼することは、排出事業者の責任です。中には許可を得ずに安価であることをアピールする悪質な業者もあるため、注意しましょう。
廃棄されたあとはどうなる?
廃棄後の処分される畳は、繊維くず、または廃プラスチック類に該当します。どちらにしても、中間処理を行い再利用されるのが一般的です。例えば、天然のい草でできた畳は動物の敷きわら等として再利用されたりします。
リサイクルの方法には主に3つ手段があります。新製品の材料や原料として使用とする「マテリアルリサイクル」、化学的な分解をしたあとに繊維の原料として再利用する「ケミカルリサイクル」、廃棄物固形燃料として再利用する「サーマルリサイクル」の3つです。しかし、何かしらの理由で再利用できなかった場合には、破砕や焼却等の中間処理を経て埋め立てなどの最終処分となります。
廃棄物は基本的にリサイクルが推進されており、令和2年度は20.5%が直接再利用されています。その中でも繊維くずのリサイクル率は54%、最終処分率は13%となりました。繊維くずの最終処分率は比較的高く、排出量を減らすとともに、再利用できるよう丁寧に使用することが大切です。
畳の処分費
畳の処分費について、山一商事では ¥2,000/枚 で処分を承ります。また、スタイロ畳の場合は ¥2,500/枚 となります。
弊社では収集運搬も承りますが、全体の量や荷姿・性状によって費用も変動するため、まずは営業部までお問い合わせください。
一般廃棄物としての処分方法
これまでは、畳を「産業廃棄物」として扱った場合の処分方法について解説してきました。では、「一般廃棄物」として扱われた場合はどのような処理方法があるのでしょうか。一般の家庭からゴミとして出される畳は、「産業廃棄物」ではなく「一般廃棄物」になります。都道府県や各自治体にもよりますが、一般廃棄物は以下のような方法などにより処分することができます。
- 粗大ごみとして排出する(地区ごとの決まった粗大ごみ回収日などに出すこと)
- 切断して可燃ごみとして排出する(一度に出す量があまり多くならないように気をつける)
- 自治体のゴミ処理場に持ち込む(個人で持ち込み可能だが自分の車を使わなければならない)
- 回収業者に依頼する(費用が多少かかるが自宅まで取りに来てもらえる)
よくある質問
Q.畳の処分はできますか?
A.処分可能です。本畳は¥2,000/枚、スタイロ畳は ¥2,500/枚 で承ります。
Q.濡れた畳は処分できますか?
A.処分可能ですが、濡れたり汚れがひどい場合には処分費用が高くなることがあります。
まとめ
畳は「産業廃棄物」にも「一般廃棄物」にもなり、処分の判断がむずかしいものです。事業所から排出されるものは、「産業廃棄物」として適正に処理することが義務付けられています。家庭から「一般廃棄物」として出すのであれば、個人の責任で処分することが大切です。どちらかにしても、業者などに依頼する場合は、許可を得た信頼できる処分業者に依頼するようにしましょう。