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公開日: 2023/07/07 |最終更新日: 2023/06/25

専(もっぱ)ら物とは?有価物との違いや処分のポイントを解説

再利用を目的とした廃棄物のことを「専ら物」と呼び、専ら物はその他の廃棄物とは取り扱いが異なります。例えば、通常の廃棄物は廃棄物処理業の許可を受けた業者しか処理できませんが、専ら物の処理には特別な許可は必要ありません。

本記事では、専ら物の概要やその他の廃棄物との違い、取り扱いの注意点などを解説していきます。専ら物を排出予定の事業者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

専(もっぱ)ら物とは?

『専(もっぱ)ら再利用の目的となる一般廃棄物または産業廃棄物』のことを「専(もっぱ)ら物」と呼びます。専ら物は廃棄物の一種ではありますが、収集や運搬・処分を行なう際に廃棄物処理業の許可が不要であるなど、その他の廃棄物と異なる取り扱いがされます。

専ら物には以下の4品目が含まれています。

  • 古紙(紙くず)
  • 古繊維(繊維くず)
  • くず鉄(古銅等を含む金属くず)
  • 空きビン類(ガラスくず)

上記4品目を処分したり、収集や運搬等を委託したりする際は、そのほかの廃棄物との違いを理解し、取り扱いに注意しましょう。

なお、古紙(紙くず)などであっても、再利用せず、焼却などの処理を行なう場合は専ら物には含まれません。物から物への再利用、つまり、マテリアルサイクルでなければ専ら物とは認められないのです。

 

有価物との違い

他人に有償で売却できるものを有価物と呼びます。再利用を目的として収集されるという点において有価物と専ら物は似ていますが、専ら物は廃棄物の一種である一方、有価物は廃棄物に含まれないという大きな違いがあります。

有価物は廃棄物に該当しないため、有価物を取り扱う際は、廃棄物処理法等の法律の規制を受けません。ただし、有価物を取り扱う際は、古物商許可や金属くず商許可などの許可が必要となる場合があるため注意しましょう。

専ら物は廃棄物処理業の許可等は不要ですが、廃棄物の委託基準は適用されます。専ら物と有価物では取り扱い方が異なるため、注意が必要です。

 

専ら物の処分に許可は必要?

専ら物の処分方法

専ら物は廃棄物に分類されるため、排出する際には委託基準が適用されます。ただし、専ら物を処分する業者は産業廃棄物処理業の許可が不要になるなど、通常の産業廃棄物とは異なる点もあります。

専ら物に関する許可や契約について、産業廃棄物処理委託契約書、産業廃棄物処理業の許可、マニフェストの3つの点から解説します。

 

産業廃棄物処理委託契約書は必要

専ら物には廃棄物処理法が適用されるため、専ら物の処理等を委託する際は、産業廃棄物処理委託契約書の発行が必要です。

廃棄物処理法では、廃棄物は排出事業者の責任のもとで適正に処理されなければならないと定められています。排出事業者は処理業者との契約前に、処理業者が適正に専ら物を処理できる施設を整えているかをよく確認しておきましょう。

排出した専ら物が最終的に再利用されているかを確認しておくことも大切です。廃棄物が適切に再利用されていなければ、排出事業者が罪に問われることもあるため注意しましょう。

 

産業廃棄物処理業の許可は免除

専ら物の処理業者は産業廃棄物処理業の許可が不要です。また、4品目以外を扱っている業者も、4品目の処分については同様に許可不要と定められています。ただし、専ら物が再利用されない場合、例えば、焼却処分されている場合などには、専ら物は通常の廃棄物とみなされるため、許可が必要となります。

 

マニフェストの発行は免除

産業廃棄物処理業の許可と同様、専ら物の処分については、マニフェスト(産業廃棄物管理表)は不要です。マニフェストとは排出事業者が産業廃棄物の処理・運搬・処分を委託する際に発行が必要な伝票であり、マニフェストを発行することで産業廃棄物が適正に処理・運搬・処分されているかを確認できます。

専ら物を処分する際、マニフェストの発行は不要ですが、排出事業者は専ら物が適正に再生処理されているかを確認する責任があります。適正に処理されているか確認するためにも、引渡し伝票などを作成して委託状況を記録しておくことが大切です。

 

専ら物の処分に関する注意点

専ら物の処分では、下記の産業廃棄物の委託基準が適用されます。

廃棄物の委託基準

  1. 産業廃棄物の運搬にあたっては、収集運搬の許可等を有し、委託する産業廃棄物がその許可品目の中に含まれていること。
  2. 産業廃棄物の処分にあたっては、処分の許可等を有し、委託する産業廃棄物がその許可品目の中に含まれていること。
  3. 法律で定められた内容の契約書で契約すること。

出典:東京都環境局「処理を委託する場合」

 

専ら物の処理を委託する際は、必ず産業廃棄物処理委託契約書を作成しておきましょう。法令に定められた契約を締結せずに処理を委託した場合、懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金またはこの併科という厳しい罰則が科せられるため注意してください。

また、専ら物が再生利用されない場合は、処理業者には産業廃棄物処理業の許可が必要です。再生利用以外を目的として処理を委託する際は、処理業者が産業廃棄物処理業の許可を得ているか確認しておきましょう。

 

まとめ

廃棄物の一種である専ら物は、特例措置により、その他の廃棄物とは異なる取り扱いができます。

専ら物の処理には許可が不要であったり、マニフェストの発行が不要であったりと、ほかの廃棄物に比べると規制が少ないように思われるかもしれませんが、処理委託には契約書が必須となるなど、他の廃棄物と同様の取り扱いが必要な点もあります。

専ら物とその他の廃棄物との取り扱いの違いを知り、廃棄物が適正に処理されるよう努めましょう。

山一商事 広報部

山一商事 広報部

埼玉県川越市を中心に産業廃棄物の運搬・処理を行う「株式会社山一商事」の広報部です。お客様にとってお役に立てるような情報や私たちからのお知らせをご案内させていただきます。

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