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公開日: 2023/01/30 |最終更新日: 2023/02/04

フロン排出抑制法とは?令和2年度の改正ポイントも解説

目次

事業活動において、空調機や冷蔵庫といったフロン類を含む機器は多方面で使用されています。そのようなフロン類を充填した機器に関して、処分の方法を定めた法律としてフロン排出抑制法があることをご存じでしょうか。フロン排出抑制法は、近年の改正によって違反時には刑事罰が科されるようになりましたが、貴社では適切な処理ができているでしょうか。本記事では、フロン排出抑制法について、令和2年度(2020年度)の改正ポイントも交えながら解説します。

 

フロン排出抑制法とは

フロン類の使用の合理化及び管理の適性化に関する法律(フロン排出抑制法)は、フロン類がオゾン層の破壊や地球温暖化の原因になることから、大気中への放出を抑制するために定められた法律です。フロン類の製造、使用、廃棄までを網羅的に規制し、関係者による適正な処理を促すために、懲役や罰金といった刑事罰も設けられています。

 

フロンとは

フロン排出抑制法における「フロン類」とは、フルオロカーボンの総称であり、CFC(クロロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)を指します。これらのフロン類は化学的にきわめて安定しているため扱いやすく、人体への毒性も小さいといった性質を有していることから、さまざまな用途で活用されてきました。エアコンや冷蔵庫をはじめとして、断熱材、半導体などの洗浄剤、エアゾール用噴射剤などで用いられています。

 

環境への影響

フロン類のうち、CHC、HCFCはオゾン層の破壊効果があり、温室効果も大きい特定フロンと呼ばれるものです。この特定フロンに変わるものとして切り替えが進められてきたものが、代替フロンであるHFCです。代替フロンはオゾン層破壊効果こそないものの、二酸化炭素の100倍から10,000倍以上の大きな温室効果があります。このため、環境への影響を最小限にするためには、オゾン層破壊効果がなく、温暖化係数も二酸化炭素と同等のグリーン冷媒(ノンフロン)への転換が求められているのです。

 

第一種特定製品とは

フロン排出抑制法が対象とするのは、フロン類を含む機器のうち、第一種特定製品と呼ばれるものです。第一種特定製品とは「業務用の空調機および冷凍冷蔵機器で、かつ、冷媒としてフロン類が用いられている機器」をいいます。業務用かどうかは、製造メーカーが業務用として製造・輸入している機器かどうかを基準とします。このため、事業活動で使用しているからといって、必ずしも第一種特定製品に該当するわけではありません。第一種特定製品の例としては、パッケージエアコン、冷水機、業務用冷凍冷蔵庫、冷凍冷蔵ショーケースなどがあります。

 

令和2年度(2020年度)の法改正について

フロン排出抑制法 流れ

フロン排出抑制法の先駆けとして2001年に施行されたのが、特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収・破壊法)でした。その後、冷媒HFCの急増や機器使用中の大規模漏えいといった問題などへの対応が求められるようになりました。そこで、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体について対策を進めるため、2015年に施行されたのがフロン排出抑制法です。そして、さらなる廃棄時回収率向上のため、違法行為を行った関係者に対して刑事罰を設けるなどの改正がなされ、2020年に施行されて現在に至ります。

 

改正の背景

刑事罰の導入を含む改正に至った背景には、フロン類の廃棄時回収率の低迷にあります。2015年のフロン排出抑制法の施行後、フロン類の廃棄時回収率はある程度向上したものの、10年以上にわたって30%台に留まっていました。そこで、2018年に経産省・環境省が共同で、廃棄時回収率を向上させるための調査・ヒアリングを実施しました。その結果、とくに建物解体時に回収作業が行われなかった場合が多いこと、廃棄機器の引き取りの際にフロン回収を確認する仕組みがないことが課題として上がりました。

 

改正のポイント

2020年の法改正は、第一種特定製品を取扱う関係者が相互に確認・連携し、機器のユーザーによる廃棄時にフロン類を確実に回収できる仕組みにすることを目的としています。おもな改正ポイントは以下の3点です。

 

① 機器廃棄における取り組み

ユーザーは廃棄物・リサイクル業者などに対して、機器の引き渡しの際にフロン回収済み証明を交付しなければなりません。フロン類を回収せずに機器を廃棄したユーザーは50万円以下の罰金が科されます。また、機器の点検記録簿について、保存期間が機器の廃棄後3年間に延長されました。

 

② 建物解体時の機器廃棄における取り組み

都道府県による指導監督の実効性を向上させるため、解体現場への立入検査などの対象範囲を拡大するといった権限の強化をしました。また、発注者への事前確認の結果説明に関する書面について、その写しを3年間保存することになりました。

 

③ 機器の引き取りにおける取り組み

廃棄物・リサイクル業者などが機器の引き取りをする際に、フロン回収済み証明を確認することとし、確認できない場合の引き取りを禁止しました。違反した場合には50万円以下の罰金が科されます。

 

フロン類の廃棄処分の流れ

フロン類の適正処分のために、フロン排出抑制法では行程管理制度を設けています。行程管理制度では、引き渡し方法に応じて各関係者に行程管理票の記入、交付、保存を求めています。一般財団法人日本冷媒・環境保全機構(JRECO)が発行する「行程管理票(推奨版)」および「フロン類再生・破壊管理票」を使用する場合を例に挙げると、フロン類の廃棄処分における流れは以下のとおりです。

 

行程管理票(推奨版)

フロン排出抑制法 工程管理票(推奨版)

フロン類再生・破壊管理票

フロン類再生・破壊管理票

 

第一種フロン類充填回収業者とは

フロン類の引き渡し先になる第一種フロン類充填回収業者とは、第一種特定製品の整備・廃棄などの際にフロン類を充填または回収することを業とする者をいいます。充填回収作業を行う区域を管轄する都道府県知事に登録する必要があります。このため、A県の登録を受けている業者はA県内では作業できますが、B県では作業できません。他県の業者に依頼する場合は、念のため都道府県のWebサイトなどで登録の有無を確認することをおすすめします。

 

① フロン類の回収と機器の処分を、別の事業者に依頼する場合

フロン類の回収と機器の処分を別の事業者に依頼する場合、処理の進め方は2通りあります。1.  回収する第一種フロン類充填回収業者と処分する廃棄物・リサイクル業者にそれぞれ直接依頼する場合と、2.  廃棄物・リサイクル業者に機器の処分とともにフロン類の回収を委託する場合です。直接依頼する場合は回収依頼書を、回収を委託する場合は委託確認書を交付しましょう。フロン類の回収が完了したら引取証明書を受け取り、3年間保存してください。その後、廃棄物・リサイクル業者に引取証明書の写しを交付することで機器が処分できます。

 

② フロン類の回収と機器の処分を同じ事業者に依頼する場合

廃棄物・リサイクル業者が第一種フロン類充填回収業者として登録を受けている場合、回収と処分をあわせて依頼することが可能です。この場合は回収依頼書のみで回収と処分が依頼できます。フロン類の回収が完了したら引取証明書を受け取り、3年間保存しましょう。

 

③ 建物の解体等と合わせて機器を廃棄する場合

建物の解体時などに機器の廃棄を合わせて行う場合、①の『廃棄物・リサイクル業者』が『解体業者等』に代わるだけで、基本的には①と同様の処理を進めます。これに加えて、建物解体の場合は、解体業者から発注者に対して第一種特定製品の有無について事前説明がされます。事前説明書面の保存期間は3年間です。

 

④ 廃棄しようとする機器にフロン類が充塡されていない場合等

災害により機器が大破しているときなど、上記の①から③の方法で処理ができない場合、第一種フロン類充填回収業者に「フロン類が充填されていない」ことを確認してもらうことで廃棄できます。この場合、確認証書の原本を3年間保存し、確認証明書の写しとともに機器を廃棄物・リサイクル業者に引き渡しましょう。基本的には、フロン類が充填されていないと判断して確認依頼をするよりも、回収依頼をすることをおすすめします。回収量がゼロでも引取証明書は交付されるため、①から③の方法で処理することが可能です。

 

使用者・管理者の義務

 

第一種特定製品の管理者には、機器の整備・修理、フロン類の漏えい量の算定・報告、フロン類の充填・回収の委託のほか、点検記録の保存や廃棄時のフロン類の引き渡しといったさまざまな義務があります。ここで注意したいのは、誰が第一種特定製品の管理者に該当するのかです。場合によっては管理者がわかりにくいことがあるため、管理者の定義について確認してみましょう。

 

管理者とは

フロン排出抑制法における「管理者」には、原則としては第一種特定製品の所有者が該当します。ただし、所有者ではなく使用者が管理者に該当する場合もあるため注意が必要です。使用者が管理者とされる場合とは、契約書などの書面において保守・修繕が所有者以外の責務とされているときです。空調機や冷凍冷蔵庫をリース契約で使用している場合などは、保守・修繕の義務が所有者と使用者のどちらにあるのかをよく確認しましょう。

 

機器を使用しているときの管理者の責務

管理者が第一種特定製品を管理するときは、以下の4点の遵守が求められます。

 

①適切な場所への設置

機器が損傷するとフロン類の漏えいにつながるため、損傷などを防止できる適切な場所に機器を設置するとともに、設置する環境の維持保全を図る必要があります。

 

②機器の点検

すべての第一種特定製品について3か月に1回以上の頻度で簡易点検を実施しなければなりません。また、一定の要件を満たす第一種特定製品については、専門知識を有する者による定期点検の実施が必要です。なお、簡易点検については実施者に制限がないため、所有者自身が点検することも可能です。

 

③漏洩時の対応

冷媒の漏えいを確認した場合、修理するまで原則としてフロン類の充填は禁止です。

 

④点検等の履歴の保存等

点検の記録は、廃棄の際にフロン類の引き渡しが完了した日から3年間保存しなければなりません。機器の整備業者などから求めがあった場合、点検の記録を開示する必要があります。

 

整備時のフロン類の充填・回収の委託義務

フロン類の充填・回収が必要になった場合、機器の管理者は第一種フロン類充填回収業者に作業を委託しましょう。作業に応じて充填証明書または回収証明書が、第一種フロン類充填回収業者から管理者に対して交付されます。回収したフロン類が第一種フロン類充填回収業者から第一種フロン類再生業者・フロン類破壊業者に引き渡された場合、さらに再生証明書・破壊証明書が管理者に交付されます。

 

違反時の罰則

管理者がフロン排出抑制法に違反した場合、刑事罰が科されます。たとえば、フロン類の引き渡しをせずに第一種特定製品を廃棄した管理者は、50万円以下の罰金の適用対象です(フロン排出抑制法第41条、同法第104条第2号)。第一種特定製品の管理者である限り、知らなかったで済まされるものではありません。上記の管理者としての義務を確認のうえ、適正に処理しましょう。

 

建設・解体業者の義務

フロン排出抑制法 対象機器

建設・解体業者の義務は、大きく分けて3点あります。

 

① 業務用エアコン・冷凍冷蔵機器の有無の事前確認と書面での説明、また写しの3年間保存

解体する建物に関して、業務用エアコン・冷凍冷蔵機器があるかどうかを事前に確認しましょう。確認した結果は口頭ではなく書面で工事の発注者に説明する必要があり、対象機器がない場合も説明しなければなりません。書面の原本は発注者が、写しは建設・解体業者がそれぞれ3年間保存します。

 

② フロン類の回収を充填回収業者に依頼

工事の発注者からフロン類の引き渡しを受託した場合、第一種フロン類充填回収業者にフロン類の回収を依頼する必要があります。

 

③ フロン類が回収されていることを確認し、廃棄・リサイクル業者に引き渡し

引取証明書などによりフロン類の回収が確認できれば、廃棄・リサイクル業者に引き渡せます。フロン類の回収が確認できないまま引き渡すことは違法です。

 

違反時の罰則

建設・解体業者がフロン排出抑制法に違反した場合にも刑事罰が科されます。フロン類をみだりに放出した場合であれば、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます(フロン排出抑制法第86条、同法第103条第13号)。2021年には、東京都において管理者と解体業者がフロン排出抑制法違反で検挙された事案も発生しており、解体業者は上記のみだり放出に該当するものとして書類送致されました。引取証明書などを確認しないまま作業を進めることは決してないよう、関係者に周知しましょう。

 

廃棄物・リサイクル業者の義務

2020年の改正法の施行以降、廃棄物・リサイクル業者は、フロン類の回収などが確認できない限り、第一種特定製品の引き取りはできません。引き取りが可能なのは、以下の4つのケースです。

 

① 引取証明書の写しを受け取った場合

第1のケースは、第一種フロン類充填回収業者が交付する引取証明書の写しが機器に添付されており、フロン類の回収が確認できるときです。廃棄物・リサイクル業者が第一種特定製品を引き取る場合、これが基本的なケースといえます。

 

② 自らフロン類を回収する場合

第2のケースは、廃棄物・リサイクル業者自身が第一種フロン類充填回収業者として登録しているときです。自らフロン類の回収依頼を受けられるため、回収済みでなくとも問題ありません。管理者から回収依頼書を受領しましょう。

 

③ 充塡回収業者へのフロン類の引渡しを委託された場合

第3のケースは、フロン類が未回収の機器について、管理者から第一種フロン類充填回収業者への引き渡しを委託されたときです。管理者から委託確認書を受領したうえで、第一種フロン類充填回収業者に機器を引き渡しましょう。

 

④ フロン類が充塡されていないことを示す確認証明書の写しを受け取った場合

第4のケースは、機器にフロン類が充填されていないことが確認できるときです。引き取る機器に第一種フロン類充填回収業者が交付する確認証明書の写しが添付されていれば、フロン類が充填されていないことが確認できるため引き取りが可能です。

 

違反時の罰則

廃棄物・リサイクル業者についても、管理者、建設・解体業者と同様に罰則が設けられています。フロン類の回収が確認できない機器を引き取った場合は50万円以下の罰金が科されます(フロン排出抑制法第45条の2第4項、同法第104条第3号)。廃棄物・リサイクル業者においては、機器の引き取りが可能な条件を満たしているかを確認してください。

 

よくあるご質問

Q. 業務用エアコンの処分は出来ますか?

A. フロン回収証明書をお持ちいただければ処分可能です。(その際、持ち込んだ機器とフロン回収証明書記載の型番が一致しているか確認いたします。)

 

Q. フロン回収作業はやってもらえますか?

A. 弊社にも冷媒回収技術者が2名おります。また他に回収業者をご案内もできますのでお困りの際は営業部までお問い合わせください。

 

まとめ

以上、フロン排出抑制法および2020年の改正ポイントに関する解説でした。第一種特定製品に関しては、管理者、建設・解体業者、廃棄物・リサイクル業者のいずれにしても、行程管理票の記入・交付・保存を適切に行いましょう。改正によって刑事罰が導入されたことで、第一種特定製品の取扱いに対する規制は明確に強化されています。相手方に任せきりにすることなく、自らの責任において処理を進めることを心がけましょう。

山一商事 広報部

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埼玉県川越市を中心に産業廃棄物の運搬・処理を行う「株式会社山一商事」の広報部です。お客様にとってお役に立てるような情報や私たちからのお知らせをご案内させていただきます。

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