第2回 山田 優選手 後編 - 株式会社山一商事

トップアスリートと考えるSDGs

トップアスリートと考えるSDGs「スポーツ界からできること。」

持続可能な開発目標である「SDGs」が現代社会における不可欠なテーマとなるなか、プロのアスリートたちはこの問題にいかに向き合っているのでしょうか。
とりわけ様々な道具を使うスポーツでは、17の目標のひとつである「つくる責任 つかう責任」が身近なテーマとして関わっています。
このインタビューシリーズでは第一線で活躍するトップアスリートたちに、自身の「SDGs」に対する価値観を語っていただきます。

第2回

山田 優選手(フェンシング・エペ/山一商事所属)後編

Masaru YAMADA

山田 優

できるだけ捨てるものを

増やさないということが、

今の僕にできること

「折れた剣を作り直して寄付する形ができれば、競技人口も増えるはず」

剣はいくらくらいするものなんですか?

「3万円くらいですね。だいたい2、3か月くらいで折れてしまいます。基本的に4本くらい持っているんですけど、折れるタイミングはほぼ同じなので、3か月に一度、12万円くらいが飛んでいくイメージですね」

トッププレーヤーならその出費も問題ないかもしれませんが、子どもたちにとってはハードルが高いですよね。

「確かにフェンシングはお金かかりますね。そこがネックになって、やりたいけどできない子どもも多いと思います。だから、折れたものも作り直して寄付する形ができれば、競技人口が増え、レベルの向上にもつながっていくと思います」

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山田選手の小さい頃はどうしていたんですか?

「小さい頃はクラブチームから剣を借りてやっていたんですけど、やっぱり何か月か経てば、折れてしまう。クラブとしてはきつかったと思いますね」

実際に作り直して寄付するような動きはないのですか。

「壊れたものをあげることはないですけど、古くなって使わなくなったものを寄付したりするというのは、世界のフェンシング連盟のプロジェクトとして行われてはいます」

剣だけではなく、防具も含めれば、かなり高額になりますよね。

「そうなんです。マスクは簡単に壊れませんけど、手袋も消耗品なんですよ。あれは4大会くらい使ったら壊れてしまうんです。練習の時は壊れにくいやつを使っているんですが、試合用は劣化が早いので、少し使っただけで捨てることになってしまいますね。当然あれだけ動かせば、擦れて穴が空いてしまう。それこそ、中学生くらいの時は頻繁に買いかえるお金もなかったので、穴が空いたところにあて布をして使っていましたよ」

「小さい頃から海が好き。
地元の海を守る活動も広げていきたい」

なかなか大変なスポーツなんですね。

「最近引っ越したんですけど、使ってない手袋が20個くらい出てきたんです。捨てるにも捨てられなくて。試合では穴が空いていると使えないですけど、練習では使えるので。だから寄付したいと思うんですけど、そのタイミングもなかなかなくて……」

ただ、そういう意識はずっと持っていると?

「もったいないなとはずっと思っていましたね」

今おっしゃられたこともそうですけど、「SDGs」という観点でこれから行動に移したいと考えていることはありますか。

「やっぱり、使わなくなったものを簡単に捨てないということですね。たとえ試合では使えなくても、少し直せば再利用できるものはたくさんあります。できるだけ捨てるものを増やさないということが、今の僕にとってできることかなと思います」

リサイクル以外で、「SDGs」の取り組みに興味があるものはありますか。

「地球温暖化の問題ですかね。普段からエアコンは使わないようにしています。夜だけ床暖房をちょこっとつけるくらいで。僕よりも、妻が環境にやさしい人間なのかもしれないですね。そういうことを普段から言われているので、僕も自然と意識するようになりました。車に乗っている時もエアコンは付けないですし、エアコンを付けるくらいなら、ダウンを着て運転しなさいと言われるんですよ(笑)」

海洋汚染の問題にも興味があると聞きました。

「そうですね。僕は三重県の伊勢湾の近くに生まれたので、小さい頃から海が好きですし、海の物を食べて育ってきました。やっぱり水がきれいなところのほうが、海の物はおいしいので、水質を守っていきたいなという想いはあります。実際に小学生の頃は、海でごみ拾いをする活動があって、僕も参加していました。でも最近はそういう活動を行う機会が減っているので、地元でそういうイベントをやってみたいですし、海を守る活動を広めていきたい考えもあります」

「プレッシャーはありますが、
今年の夏の世界選手権でまたメダルが獲れるように」

東京大会から少し時間が経ちましたが、次の大会に向けて準備を進めているのですか。

「1月末から3月末まで海外の大会が続きます。今は世界ランキングが1位なんですけど、そこでコケると一気に崩れてしまうような大会が続くので、まずはそこに向けて調整を進めています」

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新たな目標はあるのですか。

「僕の場合は1番を獲ったかと思えば、ベスト64で敗退してしまったり。総合ポイントでは一番に上に行きましたけど、平均的にベスト8以上に行けているわけではないんです。だからその波を減らすというのが今後の課題かなと思いますし、常に入賞できるレベルくらいまでに調整したいなと思います。パリに向けたレースもすぐにやってくるので、あまりゆっくりしていられないなというのが、今の正直な気持ちですね」

世界の頂点に立ち、追いかけられる立場になりましたが、重圧は感じますか。

「プレッシャーは感じますね。今までであれば、ワールドカップの初戦に勝っただけで、他の国の選手から『おめでとう』と言われていたんですが、今は一発目で負けでもすれば、『お前にとって悪い日だったな』と言われてしまうんです。それだけ周りの選手に認めてもらっていることだと思うので、そこはポジティブに捉えていますし、それだけのスキルがあると自分でも思っています。金メダルを取りましたけど、世界選手権ではまだメダルがないので、まずは今年の夏にある世界選手権でメダルが取れるように、頑張っていきたいです」

ちなみに、ご自身のこれまでのキャリアを振り返った時、“リサイクル”したい出来事ってありますか?

「やっぱり東京大会の個人戦ですね。あれが今までのキャリアの中で、一番後悔した試合でした。逆転されるわけないという点差から逆転されてしまったので。その原因は自分でもはっきりわかっているので、もしやり直しがきくのであれば、あの日の自分にアドバイスしたいですね(笑)」

山田優

山田優 プロフィール

1994年6月14日生まれ。三重県出身。184cm ・74kg。小学2年生でフルーレを始め、中学時代にエペに転向する。日本大学在学中の2014年に世界ジュニア選手権で日本人として初優勝。2019年にはアジア選手権で優勝、2020年にはハンガリーで行われたグランプリ大会で優勝を果たす。国際大会で結果を残し、国際フェンシング連盟が定めるオリンピック出場に向けた個人ランキングでは日本勢最上位の4位につけ、個人戦の出場枠を獲得。2020年東京オリンピック(2021年開催)では男子エペ団体に出場し、金メダルを獲得。また同大会の男子エペ個人では6位入賞を果たす。その後、2021年9月発表の男子エペの個人ランキングで1位になり、今後も世界トップレベルでの活躍が期待される。

【山田優に関する取材/問い合わせ先】

ポリバレント株式会社 担当:三津谷 翔平 mitsuya@polyvalent.tokyo.jp

※ スパム対策で「@」は全角で表記しております。送信の際には半角にて記述お願いします。

株式会社 山一商事

山一商事は、「循環型社会の構築」を企業理念に掲げています。創業以来、約40年にわたり、産業廃棄物(普通・特管)収集運搬、中間処理、最終処分業、総合解体工事一式、スクラップ買取等をコアの事業として、東京本社、埼玉県(さいたま市、川越市、越谷市)、千葉県(成田市)等を中心に展開してきています。これらの事業経験、知見、資産の活用と各ステーククホルダーやパートナーとの連携を通じ、美しい環境を守り、次世代へ受け継ぐために、廃棄物そのものの量を減らし、リサイクルを徹底するとともに天然資源の消費を抑制し、 環境負荷をできる限り低減する循環型社会の構築に寄与していくことこそ、山一商事の使命です。事業展開そのものが、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の取り組みと捉え、サステナブルな循環型社会の実現に向け、グループ事業とともに様々な展開を継続するなか、今後も地域や学校、省庁、企業等さまざまなステークホルダーとの連携を強化していきます。

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